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抄録-申 基喆

■抄録

電動歯ブラシを用いた歯周病患者の口腔ケア~なぜソニッケアーが選ばれるのか~
Oral care for periodontitis patients using electric toothbrushes ~Why is Sonicare chosen?~

演者:申 基喆(SHIN,Kitetsu)

所属:明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座 歯周病学分野

 歯周病患者の口腔ケアを考えた場合、高齢者や口腔内にインプラントを有する患者を無視することはできない。内閣府によると65歳以上の高齢者人口は、年々増加傾向を示しており、平成28年では高齢化率は27.3%に達し、今後さらに高齢化が進む傾向にあると報告している。また、平成28年の歯科疾患実態調査によると、8020(はちまるにいまる)達成者は前回調査の40.2%から51.2%に増加している反面、4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合も高齢者になるほど増加している。さらに、口腔インプラント治療に関しては、65歳から74歳までの高齢者層の4.4%にインプラント義歯が装着されており、口腔内にインプラントを有する高齢者は年々増加傾向を示している。つまり、高齢者の口腔内では残存歯の増加傾向を示す一方で、進行した歯周病患者、あるいは口腔内にインプラントを有する患者が増加傾向にあるという状況が見えてくる。
 一方、日本のブラッシングの現状を分析してみると、ブラッシングの重要性については、ほとんどの国民が認識し、歯磨きの習慣化ができてはいるものの、前述の高い歯周病有病率から考えると、確実に磨けてはいないということが推察できる。特に、現在の日本における超高齢社会においては、歯周病の予防と治療、あるいはインプラント周囲組織の健康維持は口腔の健康のみならず、誤嚥性肺炎などの全身疾患の予防の面からも、適切な口腔清掃が増々重要になってきている。
 歯周病患者に対するブラッシング法としては、一般的に手用歯ブラシによるバス法や補助的清掃用具による清掃法が指導されているが、高齢者にとって複雑な清掃法を確実に実施することは難しい。しかしこの問題は、電動歯ブラシを用いることによって比較的容易に解決することができる可能性がある。特にソニッケアーは、適切な部位にブラシヘッドを置くことで効果的なプラーク除去が可能である。さらに、患者の全身的、局所的条件に合ったブラシヘッドを選択することが出来る、いわゆるテーラーメイド型電動歯ブラシである。しかし、電動歯ブラシが一般に認知され、特に高齢者や手の不自由な方のプラークコントロールにも適した清掃機器であると言われてはいるものの、まだまだ十分には普及していない。これは、歯磨きは手用歯ブラシで行うもの、といった固定観念や、電動歯ブラシが手用歯ブラシよりも高価格である、ということなどが要因かもしれないが、我々歯科医療従事者が電動歯ブラシの効果や有用性を十分認識できず、患者への的確な推薦が出来ていないことがその要因の一つかもしれない。
 本セミナーでは、電動ブラシを用いた歯周病患者や口腔内にインプラントを有する患者に対するプラークコントロールの有効性を、特にソニッケアーの様々な特徴を踏まえて解説する。

略歴

1983年 3月
城西歯科大学(現,明海大学歯学部)卒業
1986年 8月
城西歯科大学助手
1992年 4月
明海大学歯学部講師
1999年 11月
明海大学歯学部助教授
2003年 2月
明海大学歯学部教授(口腔生物再生医工学講座歯周病学分野)
現在に至る

専門医・認定資格

日本歯周病学会 専門医・指導医
日本歯科保存学会 専門医・指導医
日本有病者歯科医療学会 認定医・指導医
日本顎咬合学会 指導医

学会活動

日本歯周病学会(理事)
日本歯科保存学会(理事)
日本再生歯科医学会(理事)
国際インプラント会議日本部会(理事)
ITI Fellow
日本顎咬合学会(評議員)
日本歯科薬物療法学会(評議員)等

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