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略歴・抄録|永田 俊彦

■抄録

救急現場における歯周病の問題
Problem of periodontal disease in the emergency site

広島市立病院機構 広島市立広島市民病院
救命救急センター藤田 百合子

Hiroshima City Hiroshima Citizens Hospital
Medical Emergency Center Yuriko Fujita

 2012年から周術期口腔管理料が診療報酬として算定できるようになり、全身麻酔下手術を受ける患者は術前から歯科医・歯科衛生士による口腔内の衛生管理が行われている。しかし救命救急センターに搬送される患者は、緊急入院であるため事前に専門的な口腔ケアなどが行われていない。また人工呼吸器関連肺炎(VAP)などの疾患で口腔管理が必要であったとしても、口腔管理料の算定ができないのが現状である。
 2017年度の救命救急センター(当センター)へ搬送された患者の状況は、病院外心肺停止を除くと、急性心不全が382名(21.8%)と最も多く、次いで冠動脈症候群が269名(15.3%)、脳血管疾患246名(14.0%)、重症意識障害が101名(5.7%)であった。歯周病や血管プラークなどは動脈硬化や全身の血管に影響すると言われており、冠動脈疾患や脳血管疾患の多い当センターでは口腔内環境を整えることは重要なケアと言える。
 当センターで行われる口腔ケアは、重症の病態や意識障害など患者自身で行うことができない場合が多く、看護師が計画立案を行っている。当センターでは、歯ブラシでのブラッシングを機械的に行い、口腔内に拡散した細菌をうがいや流水により排出する方法を採用している。口腔ケアは単に口腔内細菌を減らすことだけを目的とするのではなく、患者の爽快感や満足度を向上することを目的とし看護師が中心となり日々実践している。患者に統一した口腔ケアを提供することが課題であり歯科医師や歯科衛生士と連携し院内全体で活用するマニュアルを作製し指導を行っている。
 誤嚥性肺炎やVAPを防ぐには、口腔内の清潔だけでなくポジションニングも重要である。挿管されている患者は口を閉じることができず口腔内は乾燥する傾向にある。口腔内が乾燥することで口腔内細菌は増え、その唾液を誤嚥することで危険性は高まっていく。ベッド上のリクライング位の高さや頸部の角度の工夫で、呼吸や気道への誤嚥のリスクが減らせるので、体位調整を積極的に実施している。
 患者へケアを提供する看護師のケア技術向上は重要であるが、患者を総合的に支えるには、他職種で連携が不可欠ある。当院では歯科医師や歯科衛生士が所属している摂食・嚥下・口腔ケア部会や人工呼吸器管理の患者であればRST、栄養サポートにおいてはNSTなどがチーム医療で活動している。必要であればチーム間で連携を行っている。
 救急での課題としては緊急入院した時点から、患者や家族には口腔衛生を維持することが重要と指導する必要がある。そのためには多職種連携によるチーム医療を行い、患者とその家族を支えることが重要である

■略歴

藤田 百合子

平成10年
看護師免許取得
平成10年
広島市立広島市民病院就職
平成26年
広島日赤看護大学認定看護師養育課程入学
平成27年
摂食・嚥下障害看護認定看護師 資格取得

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